日記をしばらく書いてないので、今日、(2002/8/1)、新幹線の中で書いた。

■2001年8月 旅行
去年の話だが、なんと、伊豆へ旅行に行ってしまった。二泊三日。
宿泊だと、栄養剤の携行は避けられないので、電車では行けず、車で。
往復運転したら、腕が真っ黒に日焼け。
ホテルで、出されたものに、口をつけなかった。
不審に思われたらしく、従業員に話しかけられたので、
『病気なので食べられない』と答えたら、
『予約のときに言ってくれれば食べらるものを出して対応しますよ』
と言われてしまった。
たしかに食べ物を粗末にするのは良くない。反省。

とにかく、退院後の一番の遠出だった。無事に帰宅できてホッとした。


■食べ物
最近は、『これ大丈夫かな』とあまり考えない。
ダメなものと大丈夫なものの区別が反射的にできる。慣れてきたのかな。
最近は仕事でも出かけることが非常に多い。
週に2日くらいは東京へでかけることになる。
とりあえずエネルギーだけ欲しいときは、アメやジュースで糖分をとる。
やっぱり空腹でしょーもないこともときどきあり、うどん屋へ寄ったりすることもある。
よぶんなものが入ってない、「かけうどん」が一番安全。

今日も仕事で新幹線に乗り、帰りに駅で、うどん屋へ行った。
隣にすわった、おばさんが、注文をとりにきた店員に
『うどんは冷たいほうですか?暖かいほうですか?』
と聞かれて、
『つめたいホットで』と、こたえていた。
なかなかやるなコイツ、と思ってしまった。


■体調維持
クローン病には、食べないことが良いことなのだが、
空腹の我慢は風邪をひきやすくするとも聞くので、
上にも書いたがどうしようもないときは、外出していても、なにか食べる。
でも、食べると、おなかがどうにも重くなって苦しいし、ひどいときは
身動きとれなくなることもあるので、あとは新幹線で帰るだけのときだとか、
そういうタイミングで食べる。
そういうときは駅弁が多いのだが、白いご飯のところだけ食べて、あとは捨てる。
もったいないが、自分は、もう普通のことをしていたら生活できないのだと
自分を納得させる。

睡眠をじゅうぶんとること、風邪をひかないことにはいつも気をつけている。
仕事では新幹線での移動が多いが、必ず指定席をとる。
つねに最善のコンディションで仕事に取り組める状態を維持することが最優先。
指定券がとれなければ、自由席にせず、まよわずグリーン席にする。
贅沢なようだが、万が一入院してしまった場合に失うもの トータルで
どっちがマシなのかを考えるのだ。

風邪をひくたびに、クローン病の病状が悪化することが多く、
ひどい目にあってきたので、風邪にも要注意。
ひいちゃうときはひいちゃうけれども、ひかないように注意しながら生活するのと、
そうでないのとでは、だいぶ違う。

とにかくもう自分は普通の人間ではないのだと開き直って、普通でない行動であっても
自分の体のためなら、そっちを選択するべきだと思っている。
自分にとって普通のことが、他の人にとって普通じゃないのは仕方ない。


■体調悪いとき
気をつけていても、やっぱり波があり、体調を崩すときもある。
ストレートに下血したり。慣れっこになったので最近は血くらいではビックリしないけど。
そういうときはなんだか力が入らなかったり、頭痛と吐き気を伴っていたりする。

他の人のホームページ情報では、頭痛と吐き気に悩まされているという人は
発見できなかったのだけれども、僕は、体調が悪いときは、これが一番苦しい。
頭痛とか吐き気は、クローン病とは直接は関係ないのかもしれないし、
よくわからないのだが、しかし、この症状は発病後によく遭遇するので、
何らかの関係はあるんじゃないかと思う。

実際には吐かないのだが、この苦しさはけっこうつらく、一言も発せないくらい。
口を開くこと自体が苦しくて、じっとおさまるのを待つが、ひどいときは、
なんだかわからない苦しみに、のたうちまわってしまうこともある。
いったいこれはなんなんだろう。他の患者さんでは、こういうのは聞かないので不思議。
ただ、かならず下血や下痢をともなうので、クローン病とは、なんか
関係あるんじゃないかと思っている。

一度、夜中に救急外来(地元の病院)まで点滴してもらいに行って来たら、
とてもラクになったので、今度また、ひどいときは、
またそうしてもらおうかと思っている。
仕事で東京あたりにいるとき、こうなってしまうと、ほんとうにつらい。
そういうときは、とりあえず、必死で群馬まで帰る。
都内で入院させられてしまったら、あとが面倒だものなあ。


■仕事
家族がある身なので働かないわけにはいかない。
体調が悪くても良くても仕事はやらねばならぬ。
退院直後は毎日夜9時に寝て、朝6時に起きていた。これは病院の入院患者の
生活リズムだ。
ただ、自宅でこのパターンだと、うまく仕事に集中できる時間がない。
昼間は周りがザワついていて、なかなかソースコードとにらめっこに入っていけなくて、
仕事の能率の悪さに苛立っていた。

結論として、夜中に仕事するしかないと判断したのだが、超早起きと、超夜更かしと
どっちが体に負担がかかるだろうかと考え、早起きを選択した。
起きたばかりのときは、頭がさえているし、夜更かし生活だと寝る前に仕事を
することになるが、以前、クローン病発病前に、不眠でカウンセリングを
受けていたときのこと、寝る前には頭を酷使すると眠れなくなると
お医者さんに言われていたからだ。
だから、今は、日が暮れたら、できるだけ頭を使わないようにして、
とっとと寝ることにした。

今は、毎日夜8時に寝て、夜中の2時に起きている。
集中力を要する作業は夜中のうちにかたづけ、
昼間はメール処理や電話連絡中心に過ごす。
この生活を始めて1年が経過したが、体調は崩れなかった。
自分にはこのリズムで仕事をするのが合っているようだ。


■2002年4月 難病指定はずされた。
特定疾患なんとか(難病指定)の対象から外されてしまった。
治療費無料の身分ではなくなってしまったのだ。
主治医の先生は、なんとか更新できるように努力してくれたようだが、
お役所のほうではねられた。
最近、入院もなにもしてないのが理由。

内視鏡検査をすれば間違いなく登録更新できるとのことだが、
検査すると間違いなく入院のハメになると言われたので、
入院によって失うものと、治療費をテンビンにかけて、検査はやめた。
だいたい、ほとんどの食べ物で病状が悪化で刺激物厳禁だというのに、
内視鏡検査では、最強の刺激物であるところの下剤を使用しないといけないのだ。
病気であることをお役所に認めてもらうためには、下剤により病状を悪化させ、
入院せねばならないのだ。なんかヘンな話だ。

クローン病は治る見込みがないと言っておきながら、
治っていない証拠を見せろというのはヘンだ。
この3年間、仕事に支障がないよう、とにかく体調を崩さないように努力してきた。
その結果が指定はずしというのは、なんだか納得いかない。
お国にも金がないようなので、仕方ないのかな。
でも、なんとかしようと努力してくれた主治医のS先生に感謝。
今後は通院および薬は有料。通院も薬も、まだまだ、これからも必要だ。


■子供
病気になったとき、息子は2歳だった。現在5歳。来年小学生。はやいはやい。
入院してたときは、子供の写真を見ながら毎日過ごしていたが、
今は、叱ることも多くなった。
とりあえず体の丈夫な子供に育ってほしいものだ。子供に望むのはそればかり。

そろそろ二人目が欲しいけど、10年後、20年後の自分に自信がもてないので
なんだか躊躇している。


■くだもの
入院していたとき、同病で同室で仲良くしていた千葉市在住のMさんと、
外来でときどき出会う。
果物は良いらしいとMさんに聞いて、最近、食べたりする。
ただ、柑橘類は危険と どこかで読んだので、それは避ける。
オレンジジュースも極力避ける。
(飲んじゃうこともあるけど)


■2002年5月 文鳥
話せばとても長くなる事情があり、(スズメのヒナ事件に端を発する)
文鳥を飼い始めた。
なんだかよくわからないうちに文鳥を買ってきた。
あとで調べたら、シナモンという種類だった。
トリ頭という言葉があるくらいだから、トリは頭が悪いのだろうとか、
あちこちフンをするとか、あまり良い印象を持っていなかったのだが、
飼ってみると、なかなかかわいい。トリに対する考えをあらためた。

実家ではネコやイヌを飼っており、子供のころはウサギを買っていたりして
ペットとしては哺乳類派だったのだが、文鳥を飼い始めて考えが変わった。
ヒナから世話をして、これを書いている7月現在は、生後3ケ月ほど。(推定)
だんだん大人の毛に生え変わり、今は元気に部屋をとびまわる。
トリの知識はゼロだったのだが、飼い始めてから、ずいぶん育て方など調べた。
本も3冊買ったし、ホームページを片っ端からあさった。
10年も生きると知って、ちょっとビビった。生き物を安易に飼い始めてはいけない。
でも、飼い始めてしまったので最後まで責任を持たねば。

カゴから出して自由にさせておくことが多いのだが、僕が仕事をしていると、
キーボードのわきあたりで座り込んで眠りこけたりする。
トリが昼寝するとは知らなかった。
ときどきキーボードをたたく指に力が入ったりして大きな音をたててしまうときもある。
すると、寝ている文鳥が『びぴょ?』と鳴いて目をさます。
『あー、すまんなあ。起こすつもりはなかったのだ。わるかった』
などと言う。ヘンかもしれない。しかし、昼寝しているブンチョウというのは
じつにカワイイ。
流し台に連れて行くと、ピピョ!ピピョ!と何やら言いながら嬉しそうに水に飛び込み、
バシャバシャと水浴びをする。2回も3回も飛び込んで楽しんでいる。

■機械
僕は機械が好きではない。プログラマがなにを言う?と言われるが、
車に乗り始めたのは27歳のときに仕方なくであり、(免許とったのは20歳のとき)
今もさほど運転は好きではなく、めんどうなときはニョーボに運転してもらい、
自分は助手席で寝ている。
電子レンジの使い方もわからず、我が家にはテレビもない。当然ゲーム機もない。
コタツもなかったのだが、北関東の寒さにくじけて、昨年の冬に買ってしまった。
(ちょっと悔しい)
今も携帯電話は持たない。
パソコンは4台あるが、トータルでは我が家は、電気製品は少ないほうだと思う。


■2002年7月 パソコン買い替え
1998年からメインで仕事に使ってきたパソコンをついに買い換えた。
パソコンを買い換えるとき、なんとなく、パソコンがかわいそうになってしまう。
4年も酷使に耐えてくれて感謝。
4年も酷使されてきた旧愛機は、NECのMateNX/MA40Dというもので、
当時、注文して1週間で納品される予定が3週間もかかり、さらに最初から
CD-ROMドライブが壊れたいた。
修理に出すと、またどれだけ待たされるかわかったものではないから、
自分でドライブだけ交換して使った。
当時、仲間内でも何人かがMateNXを購入したが待たされた話ばかりで、
予定通り届いた例は聞かなかった。初期不良の話ばかり耳にした。
最近、仲間内ではNECのパソコンを購入したという話は自分以外では聞かなくなった。

そんなふうに使い始めたMA40Dだったけれども、4年も使うことになるとは思わなかった。
僕にしては、かなり長い。
で、今度もメインのデスクトップパソコンはMateNXを買った。

パソコンを買い換えると、開発環境の再構築やらファイルの引越しやらで、
数日は仕事が止まる。だから、メインPCの買い換えは、あまりやりたくない。
サブで使うノートPCは、環境引越しの必要があまりないし、
常時環境が整備されている必要もないので毎年買い換えてる。
数えてみたら、退院してからノートPCは5台買っている。

僕は毎回必ずNECのパソコンを買う。高校生の頃からNECしか買ってないので、もはや意地。


■2002年7月
月に一度のペースで、千葉まで遠出して、外来受診する。
今月は、血沈が5に上がっていた。
これでも他の患者さんに比べればだいぶ良いらしいが、
今まで2か3で推移していたので、僕としてはちょっとくやしい。


■水
退院後、口にする水と、調理に使う水は水道水はいっさい使用していない。
安いドラッグストアだと、ペットボトル6本入って1箱が
600円とか598円で売っているので、見かけるとまとめ買いして帰ってくる。
少なくともセブンイレブンで買っていたらお金がもたない。


■歯医者
歯医者に行くと(歯医者に限らずだが)、最初に受診するとき、
いろいろとアンケート(?)らしきものを書かされることが多くなったが、
たいてい『現在かかっている病気』という項目がある。
クローン病なのである、と記入するわけだが、
それだけで困ってしまうお医者さんもいて、
大きな病院の口腔外科にまわされてしまったこともあった。
クローン病でも歯の治療は普通の人と同じでかまわないというのに。

ただ、お医者さんによっては、診察室に呼ぶまえに簡単に調べるらしく、
『クローン病という病気もあるんですねえ。でも虫歯の治療には関係ありませんね』
などと世間話のように言いながら治療する人もいる。
こういう先生だと、なんだか安心する。

 

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